暮らし守る予算に 共産党が埼玉県に要望

上田知事(右側中央)に要望する県議・県議候補ら=2014年10月24日、埼玉県庁

上田知事(右側中央)に要望する県議・県議候補ら=2014年10月24日、埼玉県庁

日本共産党埼玉県委員会と県議団は24日、2015年度の県予算編成に対して要望しました。

上田清司知事に、暮らし、福祉、教育、防災、地域経済など211項目の要求・提言をしました。荻原初男県委員長と柳下礼子、村岡正嗣、奥田智子の各県議、青柳伸二、石島陽子、新藤孝子の各県議候補が出席しました。

荻原委員長は、県の世論調査でも生活が苦しくなったとの回答が増え、一人親家庭や子どもなどの貧困が広がっていると指摘し、「県民の暮らしを守る思い切った施策を実施してほしい」と求めました。

柳下県議は、重度心身障害児の入所施設が不足しているために1300人を超える待機者がいる実態を示し、「国へも働きかけて施設を増設するよう」求めました。

奥田県議は、大雪被災農家への補助金支給が遅れている問題で、迅速に対応するよう要求。上田知事は「より深刻な人から優先して対応していきたい」と述べました。

村岡県議は、東京湾につながる新芝川沿いの船置き場「芝川アリーナ」の有効活用を提案しました。(赤旗2014年10月25日付より)

埼玉県立小児医療センター移転問題/入院・救急対応の病院残して 県の報告受け柳下議員迫る

県議会委

柳下礼子県議

柳下礼子県議

6日の埼玉県議会福祉保健医療委員会は、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)のさいたま新都心(同市中央区)への移転(2016年予定)に伴い、現在地に残す医療・福祉の機能について県から報告を受け、審議しました。

日本共産党の柳下礼子県議は患者・家族が要望する入院や救急対応できる病院として残すよう求めました。

県の報告によると、現在地では、新センターへの通院が困難とされた患者171人を対象に、気管切開管理やリハビリなどの「日常的な医療管理」を週2回程度実施するほか、在宅治療をしている患者のデイケアや相談活動を行います。

また、社会福祉法人などの運営を念頭に、レスパイト(介護疲れ予防のための一時預かり)や外来診療などを行う、重症児の在宅療養を支援する施設をつくる計画です。

柳下氏は、「日常的な医療管理」機能について「十数もの診療科にかかる必要のある患者は、現在地で1科目だけ見てくれても、『あとの科目は新都心で』となったら負担軽減にならない」と指摘。新センターへの搬送では間に合わない急患もいると述べ、入院機能や救急体制を備えた小児専門病院として残すべきだと主張しました。

在宅療養支援施設について、柳下氏は「不採算部門であり、引き受け手がいるのか。県が責任を持って運営すべきだ」と指摘しました。また、医師体制についてただすと、県は24時間常駐させると答弁し、柳下氏は「医師を置くのなら病院併設の施設にしたらどうか」と述べ、検討を求めました。(赤旗2014年10月8日付より)

埼玉雪害補助金遅滞/農家の苦労“何かの間違い” 知事答弁 県が訂正

柳下氏質問で

2月の大雪で被災した農業施設の撤去・再建費用の補助金が届かずに困っている農家の実態を、9月の埼玉県議会で取り上げた日本共産党の柳下礼子県議の質問に対し、上田清司知事が事実と認めない答弁を行い、その後、県が答弁の誤りを認める出来事がありました。

柳下氏は同月29日の一般質問で「生命保険を解約して業者へ支払った」など被災農家の実情を示して対応を急ぐよう求めました。

ところが、上田知事は「何かの間違いではないか」と答弁。質問後、県は改めて調査して、柳下氏に対して深刻な事例が実在することを認めて、農家に補助金がしっかり交付されるよう尽力すると約束しました。

柳下氏は「今回の知事答弁は被害の実態を正しく見ていない表れです。農業再建に頑張っている農家に一日も早く補助金を出すべきです」と話しています。(赤旗2014年10月8日付より)

埼玉県議会 大雪被害助成年内に/柳下議員要求 知事「大事」と答弁

柳下礼子県議

柳下礼子県議

29日の埼玉県議会一般質問で、日本共産党の柳下礼子県議は、2月の大雪で被害を受けた農家の支援強化を求めました。

被災農家への支援制度として、倒壊した農業用ハウスなどについて撤去費用の全額、再建費用の9割を助成する、国と県・市町村の制度ができました。しかし、手続きの遅れでわずかな農家しか受け取れていません。

柳下県議は「補助金の内示がなければ融資も受けられない」「生命保険を解約して業者に支払った」などの実態を示し、申請した農家が年内に補助金を受け取れるよう、県が立て替えをすることも含めて手立てを尽くすよう求めました。

高山次郎農林部長は、補助金申請は3827件にのぼり、再建に必要な事業費は352億円になると述べました。市町村への国債・県費の交付が完了しているのは8市町への1億2000万円で、今月末までに47市町村に61億円を交付する予定だと答えました。

また、市町村が農家の請求に応じて行う補助金の支払いは、現在まで3軒の農家にとどまっており、来月には3市町の農家に合計2億5500万円が支払われる予定だと説明。年末までに残りの農家にも支払われるよう取り組むと答えました。

柳下県議は「農家はお金がいつ来るのかわからない。情報を伝えるべきだ。年内にきちんと届くようにすべきだ」と迫りました。上田清司知事は「補助金がいつ出るのかは生活や農業設計の上できわめて大事で、徹底する。年内(の支払い)についても可能な限り努力する」と答えました。(赤旗2014年9月30日付より)

【所沢市】周産期医療を考える/ハイリスク出産経験者“近くにNICU必要”

問題提起する(左から)成宮、今井、黒澤の各氏と柳下県議=2014年9月14日、所沢市

問題提起する(左から)成宮、今井、黒澤の各氏と柳下県議=2014年9月14日、所沢市

埼玉県所沢市で14日、周産期医療(胎児・新生児・母体の医療)体制について考える「母と子の命守るシンポジウム」(主催・同実行委員会)が開かれ、約80人が参加しました。

国立病院機構西埼玉中央病院の成宮学院長、産婦人科医の今井加納子氏、県医療整備課の黒澤努主幹が発言し、日本共産党の柳下礼子県議がコーディネーターを務めました。

医師不足が全国的に問題になる中、西埼玉中央病院では小児科医や産科医など相次ぐ退職で、一時、出産を扱えない状況に追い込まれました。地域周産期母子医療センターの機能も休止した状態です。成宮院長は、医師が集まってくるようトップレベルの医師を迎え入れ、チーム医療に力を入れるなどの努力を語りました。また、出産後の母親を支援する「産後入院」の充実を訴えました。

今井医師は、ハイリスク出産の増加で障害児が生まれる可能性が高まる一方で、肢体不自由児などの受け入れ体制は不十分だと指摘し、自らデイケア施設を設立する準備をしていると語りました。

黒澤氏は、NICU(新生児集中治療室)を増床するなど県の対策を紹介しました。

ハイリスク出産を経験した母親らが参加し「NICUはどこかにあればいいのではなく、近くに必要です」「NICU退院後、親は子どもの看護に疲れ切ってしまう。医療と福祉はもっと手をつないでほしい」などと訴えました。

柳下氏は「西埼玉中央病院で地域周産期母子医療センターを早期に再開するためには医師の安定確保が必要です」と語り、対策として県内に公立の大学医学部を設置することや医学生の奨学金の拡充、女性医師が働きやすい環境の整備などを提起し「埼玉の地域医療の魅力を向上させることが求められています」と語りました。(赤旗2014年9月20日付より)