病院の経営は危機的 伊藤氏「賞与も出せない実態」

日本共産党の伊藤岳議員は2日の参院総務委員会で、新型コロナウイルス感染症で深刻な影響を受ける病院の実態を示し、減収分の補てんを求めました。

日本病院会など三病院協会の調査(5月18日発表)では、全体で4月の収益が前年同月比10・5%減と、経営は危機的です。

伊藤氏は、埼玉県の病院からは「コロナ患者受け入れのため半分に減らした病床分の補償がないため受け入れ続けられない」との声が寄せられたと紹介し、2次補正予算案での対応を要求。厚生労働省の吉永和生審議官は「コロナ患者対応の病床を確保するために休止した病床も支援する方向」「どういう医療機関を対象にするかは検討中」と答えました。

伊藤氏は、病院全般が受診抑制で減収となり、職員にボーナスを支給できない実態にふれ「減収補てんに踏み出すべきだ」と主張。橋本岳厚労副大臣は「ボーナスが出ないということがあってはならない」と述べましたが、同省の迫井正深審議官は減収補てんには踏み込みませんでした。

伊藤氏はまた、特別定額給付金の業務を民間委託する自治体があり、住民から「振込口座など個人情報を民間業者に伝えたくない」との声が上がっていることを紹介し、実態調査を求めつつ、自治体窓口での現金受け取りは可能かと質問。総務省の前田一浩審議官は窓口支給も可能だと答えました。

医療・検査体制強化して 党さいたま市議団知事に要望

日本共産党さいたま市議団は5月29日、大野元裕県知事あてに、新型コロナウイルス感染症に関する要望書を提出しました。神田よしゆき、とりうみ敏行、金子昭代の各市議が参加し、村岡正嗣県議が同席しました。

神田市議団長は、これまで市にも要望を届けてきたものの、県の取り組みも必要だとして、感染拡大の第2波、第3波に備えて医療・検査体制を強化し、さいたま市立病院の旧病棟を活用することや、医療機関や中小企業・個人事業主、学生・青年への支援などを求めました。

応対した橋本雅道副知事は、新型コロナで入院中の人は減少しているものの、第2波、第3波に備える必要があるとして「埼玉は人口あたりの医療従事者の数が少ない。長期的な課題にはなるが、少しずつでも改善したい」と表明。県の中小企業向けの支援金について、できるだけ早く支給したいと話しました。

村岡氏は「コロナによって、県の課題が浮き彫りになっている。医療や産業、教育の分野で長期的な戦略を」と述べました。

認可外にも支援を 関係者ら保育料返還求める

新型コロナウイルスの感染拡大で保育園への登園自粛を求められた保護者に対して、認可外保育園や幼稚園の保育料返還を求めて保育関係者らが29日、内閣府、厚生労働省、文部科学省に対して要請を行いました。日本共産党の塩川鉄也、宮本徹の両衆院議員が同席しました。

参加者は“認可保育園では国の要請で登園しなかった分の保育料は返還される。差別せず認可外も返還してほしい”との保護者の声を紹介しました。

保育園経営側として横浜保育問題協議会の紺野広巳さんは、「持ち出しで返還している認可外施設もあるが、経営状況は相当厳しい。地域の保育の受け皿がつぶれる」と国の支援を求めました。

「一律で要請したのだから、子どもに線引きすることも自治体で差がでることも問題」(塩川議員)、「登園自粛を求めたのは政府。返還の方向性を政府が通知するのが筋だ」(宮本議員)と指摘しました。

日本共産党の梅村さえこ子どもの権利委員会責任者は「コロナ禍で感染予防にみんなが努力している。特別の手だてを」と指摘。参加者は「認可に入りたくても入れないケースも多い。子どもたちを差別するようなことはしないで」と求めました。

厚労省少子化総合対策室の担当者は「地方創生臨時交付金でまずは自治体で努力していただきたい。認可外は企業として雇用調整助成金の活用を」とのべました。

要請には、鳥羽恵、竹腰連の両さいたま市議、党ジェンダー平等委員会の坂井希事務局長らが参加しました。

給食業者に救済可能 伊藤参院議員らに政府回答

コロナ禍での学校給食食材キャンセル問題をめぐり22日、日本共産党の伊藤岳参院議員、梅村さえこ衆院北関東比例予定候補、前原かづえ県議らが、文部科学省と内閣府に対して、「業者に国の責任で救済を」との要請を行いました。党富士見市議団、木村くにのり富士見市党福祉平和運動委員長が出席しました。

富士見市では、みそ業者から、「年間計画をたて生産している。収入が途絶えれば経営そのものが危ぶまれる」との相談が共産党に寄せられてきました。同市は2月28日に事業者にキャンセルをお願いしたあと違約金の協議をしてきておらず、今後、キャンセル違約金を要求してきた事業者のみ支払う計画です。

参加者は「政府の一斉休校要請に伴うものであり、損失が出たすべての事業者に違約金を支払うべきだ」「安全安心の学校給食のため地元の事業者や生産者を守ってほしい」と訴えました。

文科省と内閣府は、3月キャンセル分の違約金については、学校臨時休業対策補助金申請の第二次募集を行うと述べました。申請に間に合わなかった自治体が今後、申請できます。

その場合の自治体負担についても、特別交付金と新型コロナ感染症臨時交付金を活用することができること、さらに4月以降のキャンセル分の違約金は臨時交付金の活用が可能と述べました。

伊藤議員と梅村予定候補は、制度の周知とともに、第二次補正予算での臨時交付金の大幅増額を強く求めました。

発熱外来設け赤字 診療所への支援切実

日本共産党埼玉県議団の柳下礼子、前原かづえ、秋山もえの各県議は27日、三芳町の診療所「ふじみの救急クリニック」を訪問しました。

同診療所は、帰国者・接触者外来が設置されたことを公表しており、発熱外来PCRセンターが稼働しています。

鹿野晃理事長・院長は「発熱外来や感染病床を設置するため、3300万円以上かけた。増築のため借りていた1億円を転用して対応したが、それも限界で、個人資産も投入している」「新型コロナウイルスの影響で軽度の救急患者が来ず、外来患者も7割減少。4月決算は7000万円の赤字だ」と訴え。看護職員以外にも手当助成をすることや、診療所における人工呼吸器治療に対する報酬上乗せすることなどを、行政への要望として挙げました。

また、スタッフの子どもを保育所などに預けられない事態となったり、タクシー会社が来院者の乗車を拒否したといったことも起きています。

党県議団は「民間医療機関が多大な犠牲を払っていると実感した。大規模な財政支援をするよう、県や国に求めていく」と応じました。