【所沢市】「育休退園」執行停止 市が決定受け入れ/裁判で争う意向

埼玉県所沢市の「育休退園」制度をめぐり、長女の退園処分の執行停止を求めた保護者の申し立てを、さいたま地裁が認めたことを受けて、同市は7日、即時抗告せず決定を受け入れる考えを示しました。

地裁の決定を受けて、原告の長女(3)は10月から元の保育園に通園しています。

「育休退園」は、第2子以降の出産で育児休業を取得すると保育園に通う上の子を退園させるもの。市は、4月から保護者の育休中の保育利用について、下の子を出産した翌々月末で0~2歳児クラスに在園する上の子は原則退園としました。

地裁は9月29日に、8月末で退園となった原告の長女について、一審判決の40日後まで通園を認める決定を出しました。

原告の女性(30)は「万が一また退園になってしまったらという不安はあったので、即時抗告しないとのことで安心した。ただ、ほかにも退園となった子が何人もいるのだから、その子たちも戻れるようにしてほしい」と話しています。

一方、市は「(育休退園の)制度自体を否定されたわけではない」として、裁判で争っていく考えを示しました。

(しんぶん赤旗2015年10月9日付より)

埼玉・所沢市長選 11日告示・18日投票/市川はるひこ候補で暴走市政ストップ

市川はるひこ市長候補

市川はるひこ市長候補

埼玉県所沢市長選が11日告示、18日投票でたたかわれます。「市民が主役の会」の市川はるひこ候補(62)=無所属新、日本共産党推薦=は、市民の声が届く市政の実現をめざします。

市長選には市川氏のほか、現職の藤本正人氏(53)=自民党県連、公明党県本部推薦=、元市議の石井弘氏(63)、元衆院議員の並木正芳氏(66)が立候補を表明しています。

 

二つの問題

1期目の藤本市長は、教育や子育てなどの市民の願いを踏みにじる市政を進めてきました。

航空自衛隊入間基地(狭山市、入間市)の騒音対策としてエアコン設置が決まっていた市立狭山ヶ丘中学校について、12年に国の補助金を返上して計画を中止し、多くの市民から批判の声があがりました。

今年4月には、第2子以降の出産で育児休業を取得すると、保育園に通う0~2歳児クラスの上の子を退園させる「育休退園」制度を実施しました。

暴走する藤本市政に対し、改善を求める市民の運動が広がり、市政を動かしています。

今年2月には市民らの直接請求で、市内の小中学校の防音校舎にエアコンを設置することの是非を問う住民投票が実施され、賛成票(5万6921票)が3分の2を占めました。これを受けて、藤本市長は狭山ヶ丘中を含む2校について、エアコンを設置すると発表しました。

保育園の「育休退園」の問題でも、6月には保護者らが市を相手取り、退園差し止めを求めて、さいたま地裁に提訴。9月には8月末で退園となった長女の退園取り消しを保護者が求めた訴訟で、さいたま地裁は一審判決の40日後まで通園を認める決定を出しました。

 

運動の先頭

藤本市政のもとで起きた二つの問題について、市川候補は「市民の声を聞かない、市長の独善的な体質が表れている」と批判。「所沢市の主人公は市民であり、市民の声をよく聞き市政を運営します」と強調します。

市川候補は、市内の中学校で35年間教員を務め、エアコン問題での住民投票実施の際は「住民投票を成功させる会」の代表として、子どもたちの学習環境改善を求める運動に全力をあげてきました。市長選にあたって、市民の暮らしと平和を守る市政への転換を訴えています。

憲法違反の安保関連法(戦争法)に反対し、米軍所沢通信基地の全面返還を強調。市内の全小中学校へのエアコン設置や「育休退園」制度の撤回、毎年20億円以上の黒字の豊かな市の財政を活用して、認可保育園の増設、医療・介護支援体制の充実、市の緑を守る制度の創設などを掲げています。

(しんぶん赤旗2015年10月7日付より)

「育休退園」通園認める/さいたま地裁 所沢市の執行停止

第2子以降の出産で保護者が育休を取得すると、保育園に在園する上の子を退園させる埼玉県所沢市の「育休退園」の制度により長女(3)を8月末で退園させられた保護者が退園の執行停止を申し立てていた件で、さいたま地裁(志田原信三裁判長)は9月29日、訴えを認める決定をしました。これにより長女は今月から通園ができることになりました。執行停止の期間は申し立てと同時に起こした退園処分取り消し訴訟の一審判決が出てから40日まで。

地裁の決定は、保育園で学ぶことが出来る集団生活のルールや人間関係などの重要性を指摘し、保育園に通園できなくなったことは「児童の人格形成に重大な影響があることは明らかである」と強調。「継続的に保育をうける機会を喪失することによる損害は看過し得ないとみる余地が十分にある」とし、執行停止は「緊急の必要がある」と認めています。

また、行政手続き法で定めた「聴聞手続き」を保護者に対して行わずに退園処分を決めたことを「違法とみる余地がある」と指摘しました。

保護者側の弁護団は「保育を受ける権利を正面から認める優れた決定だ」と評価。また、裁判所が市の法的手続きの不備を認めたといえると指摘し「育休退園」の制度自体を白紙に戻し、市民・保護者らと子育てしやすい制度つくりについて十分話し合うべきだ」としています。

(しんぶん赤旗2015年10月2日付より)

前年度決算を全会一致承認/埼玉・蕨市議会が閉会

埼玉県蕨(わらび)市議会定例会が30日閉会しました。今議会では、頼高英雄市長が提出した条例案、補正予算案、2014年度決算認定など19議案が可決・承認・同意され、このうち決算認定の9議案は全会一致で承認されました。

蕨市では14年度、市民の暮らしが圧迫される中、市として就学援助の要件緩和や、国民健康保険税を引き続き低い水準に抑えるなど、暮らしを守るための施策を行ってきました。

補正予算には、子育て世代の定住促進施策の「三世代ふれあい家族住宅取得支援事業」の事業費が盛り込まれています。同事業は、親世帯と同居・近居するために住宅を建て替え・取得した子世帯に助成するもので、10月1日から施行されます。

(しんぶん赤旗2015年10月1日付より)

【さいたま市】「九条俳句」掲載拒否問題 公民館運営で提言

第7期さいたま市公民館運営審議会(安藤聡彦委員長)は、29日開かれた定例会議で、2年間の任期が終了するにあたり、とりまとめた提言を承認しました。

審議会は、昨年7月に起きた、大宮区の三橋公民館が「公民館だより」に同館俳句サークル会員が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を掲載することを拒否した問題について、議論を重ねてきました。

議論をふまえ、提言は、①公民館の目的の再確認を絶えず行うこと②公民館活動への市民の参加をさらに拡充すること③市民に親しまれる公民館だよりの編集体制を整えること④市民の信頼と期待に応える職員体制づくりをすること―の必要性を指摘。「この機会にさいたま市の公民館が『市民の<声>が生きる公民館』として再生するために何が必要であるのかを、市民と行政双方が熟考し、実践されることを心から願いたい」としています。

提言の承認をうけて、委員らは「この提言をしっかりと現場に伝えてほしい」と、会議に出席した市生涯学習総合センター職員、各公民館長らに求めました。

(しんぶん赤旗2015年9月30日付より)