生活保護費減 暮らし悪化/取り消し訴訟の原告訴え

「生活保護基準引き下げは憲法違反」を裁判所までデモ行進する原告と弁護団=2014年8月1日、さいたま市

「生活保護基準引き下げは憲法違反」をさいたま地裁までデモ行進する原告と弁護団=2014年8月1日、さいたま市

「生活保護基準の引き下げは憲法違反だ」として埼玉県内に住む生活保護受給者25人が1日、国と自治体を相手取り、引き下げの取り消しを求めて起こした裁判で、提訴後に記者会見した原告は、保護費の減額は生活をいっそう悪化させると訴えました。

精神疾患を抱える30代の女性は「生活費の節約のために心身の負担が非常に大きい」と語りました。交友関係が疎遠になったり、精神疾患の自助会への参加をためらったりと困難が生じていると述べ「『今月は何とかなったが来月は大丈夫だろうか』と不安になり、必要な治療や休息が後回しになっている。一連の引き下げは当事者の実情を一切考慮していない」と訴えました。

佐藤晃一さん(47)=さいたま市=は「生きていくには生活保護に頼らざるを得ない。社会保障のあり方を問いたい」と語りました。

これまでも、美容院をがまんするなど節約してきたと話す浜田道子さん(77)=さいたま市=は、引き下げによって、スーパーの売り場で捨てられるキャベツやレタスの葉を食事の足しにするなど食費をさらに切り詰めていると訴え、「消費税が5%から8%になったのに何で引き下げか。怒りを感じる」と述べました。(赤旗2014年8月6日付より)

平和のため、戦争を知る/埼玉で展示会

戦前・現在 資料で比較/さいたま市

「なぜ戦争するの・・・? なかよくしようよ 人間だもの」をメーンテーマに、第31回平和のための埼玉の戦争展が2~4日、さいたま市で開かれました。約7800人が来場しました。

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

参加者は、パネルや資料、戦争の証言を通じて、戦争をなくし、対話による平和を実現するために何が必要か考えました。

安倍政権が「戦争する国づくり」へと暴走するなか、展示では戦争と教育、戦争とメディアなど戦前と比較しながら現在の問題を明らかにしました。日本軍「慰安婦」問題など過去の戦争の過ちをただしながら、北東アジアの平和を実現する展望を示しました。

会場には中高生など多くの若者が訪れ、展示に見入ったり、各パネルの解説者の話を熱心に聞いたりしていました。

三郷市から来た50代の女性は「集団的自衛権の問題など政治がよくない方向にあるなかで、若い人が興味を持ってもらえる、とてもよい内容です」と話しました。

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「学童疎開」をテーマに/所沢市

「2014所沢・平和のための戦争展」が5日まで、埼玉県の所沢市役所1階市民ギャラリーで開かれています。

戦争の実相を伝えるものをはじめ、集団的自衛権や所沢の基地問題など、さまざまな展示が並んでいます。3日には、すいとん試食会や平和のうたの合唱、米軍所沢通信基地の出前講座などが行われました。

受付では、展示をもとに作ったクイズが配布され、クイズを解きながら熱心に解説を聞く中学生もいました。

3日のセレモニーであいさつした、実行委員会の山田裕事務局長は「今年は学童疎開をテーマにした展示をしている。中学校では歴史の事実をゆがめる教科書が押しつけられようとしているなかで、いま平和の活動がとても大事になっています」と述べました。

2歳の息子とともに訪れた市内の男性(32)は「集団的自衛権の話が出ているけれど、みんなが理解しないままにことが進んでいて不安。子どもが大きくなったときに心配」と語りました。(赤旗2014年8月5日付より)

苦しむ人の声届け県政変えたい/本山修一県議候補(66)/埼玉県西8区(川越市、定数4)

市民の要望を聞く本山候補

市民の要望を聞く本山候補

来春の埼玉県議選で、日本共産党は現有3から8以上への議席増をめざします。定数4の川越市では、党市議団長を務める本山修一候補(66)が県民の暮らしを守り、願いを実現する議席奪還に全力をあげています。

「年金もどんどん下がり、介護保険も悪くなり、ふんだりけったり。これでは生きていけない」。市民との対話のなかで、国や県の県民泣かせの政治に対する怒りの声が多く寄せられます。

現在の県政は、幼稚園父母負担軽減金の廃止や重度心身障害者医療費助成制度への年齢制限導入など、県民サービス切り捨てを進めてきました。

自民・公明・民主などの「オール与党」は、これらの知事提案に賛成し、消費税増税中止を求める請願や原発ゼロ社会をめざす請願に反対するなど県民要求に背を向けてきました。

対案示し共同

これに対して、共産党県議団は、県民サービス切り捨てに反対し、具体的な対案を示して幅広い県民と共同してきました。竜巻被害などで県独自の被災者生活再建支援制度を創設するなど、県民の願いの実現に全力をあげてきました。

本山候補は「苦しんでいる人たちの立場に立って県政に声を届け、冷たい県政を変えたい」と決意を語ります。

共産党に入って39年。ベトナム戦争のとき、日本の米軍基地がアメリカの出撃拠点となり、日本が戦争に加担していたことや、米軍の侵略に反対する運動を「赤旗」で知り、「共産党はがんばっているんだな」と共感したのが入党のきっかけです。

勝ち抜く決意

日本を再び戦争する国に向かわせる集団的自衛権の行使容認には断固反対です。憲法の解釈を勝手に変える安倍政権の暴走にストップをかけようと、共産党市議団は市議会に集団的自衛権に反対する意見書を提案しようと各会派に働きかけるなど、奮闘しました。

「歴史が好きで、時間があれば市内の寺社を訪ねたり、散策したりしているんです」と語る本山候補。川越市には歴史的な建造物が多く残され、こうした文化財の保護にも県と連携して取り組みたいと話します。

同市では連続2期、議席がありましたが、2007年に失って以来、県議が空白となっています。

「安倍政権の暴走のもとで、県議会でも自民党などが高校教育への政治的介入を強めるなど、戦争する国づくりを地方から進めようとしている。何としても勝ち抜いて、暴走にストップをかけたい」

(埼玉県・藤中陽美)(赤旗2014年8月4日付より)

【さいたま市】戦争は飢え 犠牲を強いられるのは国民/なかにし礼さん語る

7月31日、さいたま市内で開かれた「憲法と人権を考える市民のつどい」(主催・埼玉弁護士会)では、学習院大学教授の青井未帆さんと作家・作詩家の、なかにし礼さんが講演と対談をしました。約1300人収容の会場は満席となり、ロビーまで人があふれました。

なかにしさんは自作の詩「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」を朗読し、参加者の胸を打ちました。

幼少期を旧満州(現中国東北部)で過ごし、旧ソ連軍の爆撃から逃げた体験を振り返った、なかにしさん。詩の中で「俺は弱虫なんだ」と訴えていることについて、「戦争とは飢えであることを(戦後生まれの)平和の申し子たちは知らず、それは奇跡的なこと。戦争で犠牲を強いられるのは国民。弱虫で思いやりのある人間集団をつくっていけば、日本は変わると思う」と話しました。

青井さんは、安倍政権が強行した集団的自衛権行使を容認する閣議決定について、何重にも違憲だと批判。「戦争をするのは国家だけど、死ぬのは国家ではなく人。おかしいと思ったことにはおかしいと声を上げないといけない」と語りました。

対談で、国民にどのような抵抗ができるか問われた青井さんは「安倍首相は『最高責任者は私だ』と言うが、私たち主権者は何でもできることを許しているわけではないということを伝えていこう」と呼びかけました。

川越市から参加した男性(30)は「集団的自衛権について、国民にあまり知らされないまま進められて、きなくさい感じがします。これから生まれる子どもたちを戦争に行かせたくないから、反対」と話しました。(赤旗2014年8月2日付より)

教員の死 アスベスト原因/公務災害認定求め妻提訴 さいたま地裁

提訴の前にデモ行進する四條さん(中央)と弁護団、支援者=2014年7月30日、さいたま市

提訴の前にデモ行進する四條さん(中央)と弁護団、支援者=2014年7月30日、さいたま市

埼玉県戸田市の市立小学校の教員だった四條昇さん=当時(54)=が2007年、アスベストを原因とする心膜中皮腫(ちゅうひしゅ)で亡くなったことについて、公務災害の認定をしなかったのは不当だとして、四條さんの妻、延子さん(62)が30日、地方公務員災害補償基金を相手に決定の取り消しを求める訴訟を、さいたま地裁に起こしました。

訴状によると、四條さんが1980年から88年まで勤務した市立小学校の階段の天井にはアスベストが存在し、四條さんは上り下りや掃除のたびにアスベストを吸い込み、それが原因で発症したとしています。しかし、公務災害だとして申し立てた地方公務員災害補償基金審査会は「アスベストが存在したことを直接示す証拠がない」として認めませんでした。

原告は、87年に同小学校でアスベスト除去工事を行っていたことを当時の日本共産党市議団の広報や市教職員組合の機関誌が記述していること、当時の同僚の証言などを証拠に挙げ、「アスベストの存在は強く推認できる」と主張しています。

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提訴後、記者会見した延子さんは「真実を明らかにすることで、ほかの教職員と教え子を守るという夫の願いを果たしたい」と語りました。(赤旗2014年7月31日付より)