●防災ヘリ有料化 労山「慎重審議を」 県議会各会派に要請

埼玉県のホームページより

消防防災へリコプターによる山岳救助を有料化する条例案が埼玉県議会に出された問題で、日本勤労者山岳連盟(労山)の浦添嘉徳理事長らは15日、各会派に要望書を提出しました。

条例案は「無謀な登山の減少につながる」として自民党から提出され、6日の警察危機管理防災委員会で可決。27日の本会議で採決されます。

要望書は、登山者教育や登山道整備が事故防止につながり、有料化は遭難防止の特効薬ではないと説明。さらに、登山者の救助だけ有料化ずる根拠が不明で「法の下の平等の原則にも反する」として慎重審議を求めています。

要請に対して、日本共崖党の村岡正嗣(むらおか・まさつぐ)県議は、「県の防災へりによる救助は群馬や長野に比べて少なく、事例を見ても無謀な登山とはいえない」と有料化に反対します。「道迷いが多いので案内板や登山道の整備、情報提供が一番の事故防止にしなる。山だけ有料化するのは公平性の上でも問題があり、現場にも混乱をもたらす。悪影響の方が多い」とし、多くの県民に問題点を知らせていきたいと語りました。

民進党・無所属の会の浅野目義英県議は、委員会でこの間題を取り上げたことを紹介。「秩父山岳連盟や秩父観光協会の会長も反対している。参考人招致をして議論を尽すべきだと動議を出したが、自民、公明、改革の会の反対で否決されてしまった」と説明しました。

無所属県民会議の大島和浩県議も「おっしゃる通り。慎重審議という立場で臨みたい」と応じました。

(「しんぶん赤旗」3月16日付より)

 

●老朽住宅の再生策を 埼玉県議会で秋山県議が提案

埼玉県議会で3月1日、日本共産党の秋山文和県議が一般質問し、マンションの老朽化対策やエレべーター設置などのバリアフリー化を求めました。

公団住宅など1960~70年代に建てられた5階建て以下の共同住宅にはエレべーターがほとんどなく、高齢化した住民の在宅医療、在宅介護を困難にしています。

秋山氏は、民間マンションでエレべーターを後付け設置するには各世帯に数百万円の負担がかかり、設置が進まない原因になっていると述べ、UR(都市再生機構)が供給するマンションでも賃貸に比べて分譲ではエレベーターが設置されていないと指摘しました。

福島浩之都市整備部は、県内のUR賃貸マンションでは後付けエレベーターが約90基設置されでいるのに対し、UR分譲マンションでは「把握できていない」と設置例がないことを明らかにしました。

秋山氏は「設置を進めるにはマンション管理組合への財政支援が必要だ」と主張。国の社会資本整備総合交付金(補助率3分の1)の活用を提案し、その活用のために「県が条例や要綱を作って民間老朽マンションの長寿化・再生事業に乗り出すべきだ」と求めました。

上田清司知事は、福祉・医療の観点からもマンションの老朽化・バリアフリー対策の重用性を認め、「市町村とともに老朽マンションの長寿命化・再生などの支援策を研究していく」と答えました。

(「しんぶん赤旗」3月8日付より)

埼玉県議会が閉会

埼玉県議会定例会は14日、一般会計補正予算案などを可決して閉会しました。2017年度決算認定と県5カ年計画策定議案は閉会中審査になりました。

日本共産党は、6議案に反対しました。秋山文和県議が討論し、イオン系企業の水耕トマト栽培施設に対する助成費を含んだ補正予算について「特定企業のみを支援する事業だ」と指摘。国民健康保険の保険者を市町村から都道府県に変えることに伴う運営協議会設置の条例案について、「国保の都道府県化は保険料を増大させるおそれがある」と述べました。県地域医療構想の策定について、2025年に急性期医療病床を現在より6720床削減するものになっていると指摘しました。

八ツ場ダム建設費用が4600億円から5320億円に変更されたことに同意を求める議案について「国の約束違反であり、到底同意できない。今後もさらに事業費負担が増大するおそれがある」と指摘して反対しました。

(2016年10月18日付「しんぶん赤旗」より)

「八ツ場」水道事業圧迫 埼玉県議会委 料金増も

埼玉県議会産業労働企業常任委員会は7日、来年度からの県営水道の料金単価について審議し、その中で、八ツ場(やんば)ダム建設の水道事業への影響が明らかになりました。

国は8月、八ツ場ダム建設の事業費を4600億円から5320億円に引き上げ、関係都県にも負担増を求めています。埼玉県の費用負担は88億円増の658億円になります。県は、八ツ場ダムが稼働する2020年度以降、水道事業に減価償却費や維持管理費で毎年23億円の支払いが生じ、水道料金単価になおすと1立方メートル当たり3.7円に相当すると説明。さらに今回の引き上げで毎年1億円、料金単価では0.17円の負担増になると報告しました。

県は、経営努力によって2017~20年度の4年間は現行の1立方メートル当たり61.78円に据え置くと表明。しかし、水需要の減少や老朽施設の更新費用も加わり、20年度以降の収支は赤字に転ずる見込みであることを明らかにしました。

委員会で、日本共産党の金子正江県議は、八ツ場ダムが利水上も治水上も役に立たない無駄なダムであると指摘し「利用者の負担増にならないよう努力すべきだ」と求めました。

中島俊明水道企画課長は、水道施設の維持管理の見直しや債務の早期返還などで支出を抑え、負担増にならないよう努力すると答えました。

(2016年10月12日「しんぶん赤旗」より)

自衛隊病院の変質急 柳下県議「県は国に説明要請を」/埼玉県議会特委

埼玉県議会予算特別委員会が9日開かれ、日本共産党の柳下礼子県議は、国が戦争法の具体化で自衛隊病院などの機能を変質・強化しようとしているとして県の姿勢をただしました。

柳下県議は、航空自衛隊入間基地(狭山市、入間市)の留保地への「自衛隊入間病院」設置計画について、戦時には傷病隊員の「後送病院」になると指摘。また、防衛医科大学(所沢市)に新たな感染症対策設備をつくり、エボラ出血熱など危険な感染症に対応する体制を整えようとしている問題を取り上げ、「地元市も説明を受けていない。県として防衛省に説明を求めるべきだ」と求めました。

北島通次企画総務課長は、防衛医大の動きについて、防衛省の新年度予算概要で承知しているだけで説明は受けていないと答弁。

柳下県議は、アフリカ・南スーダンで感染する可能性がある自衛隊員を受け入れるためとした防衛省の説明を紹介し「自衛隊の海外派兵拡大を念頭に置いた動きといわざるを得ない。日本を戦争できる国に実質的に変質させていく動きを許すことはできない」と主張。「県として(基地情報を)積極的に収集し、提供すべきだ」と要求しました。

中原健一企画財政部長は「訓練の実施や騒音など県民生活に影響を及ぼすものは事前の情報提供を求めていく」と答えました。

(しんぶん赤旗2016年3月11日付より)