4月12日投票(3日告示)のさいたま市議選(定数60)で、日本共産党は、現有7議席からすべての行政区での議席獲得と見沼区での複数議席獲得で11人の市議団実現をめざします。
市に新年度予算の組み替えを提案する共産党市議団=2015年2月5日、さいたま市
安倍政権が民意に背く暴走を続けるなかで、市政でも暴走ストップへ奮闘する共産党と、暴走を推進する自民党との「自共対決」が鮮明になっています。
昨年、集団的自衛権の行使容認が大きな問題となるなか、市内の公民館で「憲法9条を守れ」と訴えるデモを詠んだ俳句が公民館報への掲載を拒否される事件が起き、清水勇人市長や教育庁も公民館の対応を支持しました。
共産党市議団は、この問題についてたびたび市議会で質問し、シンポジウムを開くなど市民とともに不掲載撤回を求めてきました。一部の自民党議員は問題の俳句を「政治的」などと攻撃し、不掲載とした市の対応を支持しました。
大型開発に熱
市議会は自治体が社会保障削減などの安倍政権の悪政をそのまま持ち込み、市民の負担を押し付けるのか、市民を守る「防波堤」の役割を果たすのかが問われています。
清水市長は「市民や企業から選ばれる都市を実現する」として「2都心4副都心」(大宮、浦和などの駅周辺6地区)構想などの大型開発を推進し、合併前からの総事業費は6500億円にものぼります。しかしその結果は、見込みをはるかに下回る人口しか住んでいない浦和東部・岩槻南部の「ウイングシティ」開発など、すでに破たんずみです。
一方で、国民健康保険税は一般会計からの繰り入れを約50億円減らして値上げし、滞納者に対して強権的な取り立てや差し押さえが横行しています。下水道料金は昨年21.6%値上げし、介護保険料は新年度から平均14.8%の値上げを計画するなど、市民に負担を押しつけてきました。人口あたりの医師数、市営住宅数、子どもの数に対する保育所定員数などは政令市のなかで最下位クラスであり、認可保育所入所が不承諾となった人は2年連続で2000人を超えました。
清水市政の「大型開発推進・福祉切り捨て」の議案に、自民党、民主党、公明党、改革フォーラムなど共産党以外のオール与党は何でも賛成し、市民の厳しい暮らしの実態からは背を向けています。
組み替え提案
これに対し、共産党市議団は具体的対案も示しながら市民との共同で市政を動かしてきました。
毎年予算組み替え提案を行い、ためこんだ基金なども活用して、一般会計の5%程度の組み替えで国保税・介護保険料の引き下げや保育所整備費の上乗せなどを提案。
下水道料金の大幅値上げに対して、市民と共同して署名運動に取り組み、値上げ幅を市の当初の計画より低く抑えさせました。署名に取り組んだ、市革新懇代表世話人の神部勝秀さん(71)は「共産党と協力して署名に取り組んだことが力になった。でも巨額の大型開発予算をそのままに値上げを強行したことに憤りを感じます。いっせい地方選の争点に押し上げたい」と語りました。
山崎章市議団長は訴えます。「11人の市議団になれば五つの常任委員会すべてに複数の議員を送ることができます、すべての行政区で議席を獲得すればより住民の声を議会に届けられ、現実的に市政を動かす力になります。市民の命と暮らしを守るため、何としても全員勝利へ全力で頑張ります」(赤旗2015年2月21日付より)
総選挙の比例得票
昨年12月の総選挙で日本共産党が獲得した、さいたま市の比例票は6万9841、得票率13.06%で、前回2012年総選挙時(得票数3万7980、得票率6.60%)から倍近く伸ばしました。
現在空白となっている大宮、浦和、岩槻の各区では比例票、小選挙区票ともに前回11年市議選での最下位当選者の得票を上回っています。