日本共産党の梅村さえこ衆院議員は6月30日、来年度から採用される中学校教科書の採択問題で、埼玉県教職員組合、さいたま教育文化研究所、新日本婦人の会の役員と懇談しました。村岡正嗣県議と伊藤岳参院埼玉選挙区候補も参加しました。
参加者は、さいたま市中央図書館で展示されている各出版社の教科書を閲覧後、別会場で意見交換しました。
教科書採択をめぐっては県議会の自民党などによる政治介入が問題になっており、村岡県議は、29日の一般質問で、秋山文和県議が教科書の選択は教員に主要な役割が与えられているとしたユネスコの勧告を引いて、教育長に対し「教員の意見を最大限尊重すべきだ」と求めたことを紹介しました。
参加者は、教科書採択に教員の意見を反映させるためにも、学校内で十分に教科書を比較、研究できる条件を整えるべきだと話しました。
改憲勢力が採択に力を入れている育鵬社の教科書について「歴史教科書は日本の侵略戦争を美化し、現憲法をGHQに押しつけられたものとして描いている」「公民教科書では『国民に国防の義務がない国は異例』『自衛隊は日本の防衛に不可欠』と書き、改憲に導こうとしている」など問題点を出し合いました。
梅村議員は、育鵬社の記述が「アジアの人々に対する反省を歴史教育や教科書の中で尊重する」とした1982年の官房長官談話や、日本軍「慰安婦」について「歴史教育を通じて長く記憶にとどめ、過ちを繰り返さない」とした1993年の河野談話などの政府の公式見解にも反していると指摘。「侵略戦争を美化した教科書の採択を許さないという声を、『戦争法案』阻止のたたかいと結んで広げましょう」と語りました。
(しんぶん赤旗2015年7月7日付より)