自衛隊病院の変質急 柳下県議「県は国に説明要請を」/埼玉県議会特委

埼玉県議会予算特別委員会が9日開かれ、日本共産党の柳下礼子県議は、国が戦争法の具体化で自衛隊病院などの機能を変質・強化しようとしているとして県の姿勢をただしました。

柳下県議は、航空自衛隊入間基地(狭山市、入間市)の留保地への「自衛隊入間病院」設置計画について、戦時には傷病隊員の「後送病院」になると指摘。また、防衛医科大学(所沢市)に新たな感染症対策設備をつくり、エボラ出血熱など危険な感染症に対応する体制を整えようとしている問題を取り上げ、「地元市も説明を受けていない。県として防衛省に説明を求めるべきだ」と求めました。

北島通次企画総務課長は、防衛医大の動きについて、防衛省の新年度予算概要で承知しているだけで説明は受けていないと答弁。

柳下県議は、アフリカ・南スーダンで感染する可能性がある自衛隊員を受け入れるためとした防衛省の説明を紹介し「自衛隊の海外派兵拡大を念頭に置いた動きといわざるを得ない。日本を戦争できる国に実質的に変質させていく動きを許すことはできない」と主張。「県として(基地情報を)積極的に収集し、提供すべきだ」と要求しました。

中原健一企画財政部長は「訓練の実施や騒音など県民生活に影響を及ぼすものは事前の情報提供を求めていく」と答えました。

(しんぶん赤旗2016年3月11日付より)

福祉・教育など充実を 埼玉 各団体と共産党が懇談/おくだ・伊藤両候補が出席

日本共産党埼玉県委員会(荻原初男委員長)と県議団(柳下礼子団長、5人)は16日、国や県に対する来年度予算要望に向け県内の医療、福祉、教育、労組など各分野の団体の代表と懇談しました。梅村さえこ衆院議員と、おくだ智子参院比例候補、伊藤岳参院選挙区候補(党県民運動委員長)らが出席しました。

埼玉県精神障害者団体連合会は、JRなど公共交通の運賃割引制度を「他の分野の障害者と同等に拡充を」と要望。埼玉県腎臓病患者友の会は、65歳以上で新規に重度心身障害者への医療費助成に対して県が年齢制限を設けたことについて「経済的に困難で、合併症の治療も必要な透析患者にとって大変なことだ」と制度の撤廃を訴えました。

埼玉県労働組合連合会は、県として公契約条例の実現、県が事務部門の職員を減らす一方で臨時職員を増やしている問題の改善を求めました。埼玉県教職員組合は、少人数学級の推進を要請しました。

あいさつに立った梅村氏は、北浦和公園に1万人が結集したオール埼玉総行動など県内での戦争法案阻止の運動に触れ「埼玉の皆さんが支えた取り組みが全国を励まし、運動を広げる役割を果たした」と激励。今後の国会で安倍政権に対し戦争法や環太平洋連携協定(TPP)、原発再稼働の問題を追及する決意を表明しました。

柳下県議団長は、9月議会で戦争法廃止や増税反対の請願で各会派との共同を広げた成果を報告しました。

懇談には塩川鉄也衆院議員、紙智子参院議員の秘書らが同席しました。

(しんぶん赤旗2015年10月21日付より)

豪雨災害 被災者支援の強化訴え/党埼玉県議団 県に申し入れ

小島部長(左端)に申し入れる党県議団=2015年9月17日、埼玉県庁内

小島部長(左端)に申し入れる党県議団=2015年9月17日、埼玉県庁内

日本共産党埼玉県議団は17日、豪雨災害に関連して、避難や河川対策、被災者支援の強化を県に申し入れました。

8日から10日にかけての大雨で、県内では多くの県道・市道が冠水し、越谷、春日部の両市など県東部を中心に、2419棟に床上・床下浸水の被害(15日現在)がありました。東武スカイツリーラインでは線路が冠水し、列車が運休しました。

11日に越谷市内で被害の現地調査を行った金子正江県議は、「避難場所まで行けるような状況ではなかった」「防災無線が聞こえなかった」など、被災住民からの声を紹介。柳下礼子県議団長は、県管理河川を緊急に総点検し必要な対策を行うとともに、国管理河川の総点検を国に要望するよう強調しました。

被害を受けた農家や事業者への支援強化、住民に被害情報が届く仕組みづくりの研究、浸水被害の危険性が高い地域では高齢者や被害者が早めに避難できるような対策をすることなども求めました。

応対した小島敏幸危機管理防災部長は「知事に伝えます」と応じました。

(しんぶん赤旗2015年9月22日付より)

埼玉県教委 育鵬社教科書を採択/伊奈学園中 県民の声聞かず

埼玉県教育委員会(高木康夫委員長)は27日の定例会で、県立伊奈学園中学で来年度から使用する歴史と公民の教科書に、侵略美化・改憲誘導の育鵬社のものを採択しました。同中学は4年前にも育鵬社教科書を採択しています。

育鵬社教科書は、前回6日の定例会で、委員6人中4人が支持して内定。27日は結果を確認しただけでした。また、採択のやり直しを求める意見書が4件提出されましたが、内容の報告や審議は行われませんでした。

採択結果について、市民団体「教育と自治・埼玉ネットワーク」や「子供の人権埼玉ネット」の代表を務める藤田昌士元立教大学教授は、教員が使いたい教科書の希望や父母、県民の意見を聞かず、ここの教科書の検討もほとんどされていないと批判。「公正、自主的に採択したとはいえず、県教委の審議が空洞化している」と語りました。

 

柳下県議団長
県教委を批判

柳下礼子県議団長

柳下礼子県議団長

この問題では、日本共産党埼玉県議団の柳下礼子団長が同日、談話を発表しました。

談話は、県教委の審議では、育鵬社教科書の不採択を求める県民の意見について何ら検討もせず、現場教員の意見も無視しているとして「極めて遺憾だ」と批判。そのうえで「学習権を保証するために、教員の意見が十分尊重される教科書採択の実現をめざし、広範な県民・教育関係者と力を合わせる」と表明しています。

(しんぶん赤旗2015年8月28日付より)

埼玉知事の「安倍談話」評価 党県議団長が批判

安倍首相が14日に発表した戦後70年に際しての談話について、上田清司埼玉県知事が同日、「アジア諸国をはじめ世界各国との未来志向の関係を築くための確固たる意思が表明された」と評価するコメントを出しました。

上田知事のコメントに対し、日本共産党の柳下礼子県議団長は「『村山談話』を事実上投げ捨てた安倍首相の談話を評価したことは許されない」と批判する談話を寄せました。

上田知事はコメントで「我が国は戦前の失敗を教訓として、一貫して平和を希求する国家に生まれ変わった」としたうえで安倍首相の談話を評価。「談話が、今後も関係諸国との信頼強化を志向する日本のメッセージとして、世界に受け入れられることを願っている」と表明しました。

コメントについて柳下氏は、安倍首相の談話は、戦後50年の村山首相が示した、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったとする立場を事実上投げ捨てたもので「世界から批判されており、受け入れられるはずがない」と指摘。「上田知事がそれを評価するというのは安倍首相と同じ歴史認識だということを示している。『戦前の失敗』とだけ述べ、傍観者的な態度も首相と同じだ。県民の批判は免れない」と述べました。

(しんぶん赤旗2015年8月18日付より)