●ホームドア「国が指導を」 総務委員会で梅村衆院議員 視覚障害者事故を受け

日本共産党の梅村さえこ議員は2月21日の衆院総務委員会で、JR京浜東北線蕨駅(埼玉県蕨市)での視覚障害者の転落死亡事故(1月14日)を受け、再発防止策を求めました。

梅村氏は、視覚障害者の鉄道駅での転落や車両との接触による死亡事故が、2016年度はすでに3件発生し、10年度以降最多だとして、相次ぐ事故への認識を質問。国交省の潮崎俊也技術審議官は「また発生してしまったことはその通り」としつつ、「1日当たりの乗降客数が10万人以上の駅のうち(ホームドアを)整備可能な駅は2020年までに整備を行う」「それまでの間、駅員による誘導案内等も強化ずる」と答弁しました。

梅村氏は毎年2千から3千件ものホーム転落発生は公共交通機関としてあるまじき状況であり11年度に国が示した乗降客数10万人以上の駅でのホームドア優先設置方針に対し、設置ずみは3割にとどまっていると指摘。交通政策基本計画によるホ一ムドア800駅設置目標を抜本的し見直し、事業者に義務付けるとともに「事業者任せではなく、国が点検・指導していくべきだ」と求めました。同審議官は「より積極的な取り組みを促していきたい」と述べました。

梅村氏は、ホームドア整備での地方自治体の役割に言及。高市早苗総務相は「バリアフリー法の趣旨も踏まえ、地方財政措置もあるので、地方自治体で地域の実情にあわせて適切な対応が行われるよう支援していく」と応じました。

(「しんぶん赤旗」3月7日付より)

●山岳ヘリ救助の有料化条例 遭難者の判断鈍らせる 埼玉県議会で自民党が提案

 「無謀な登山防止」いうが・・・

埼玉県内の山で遭難し、消災へーリコプターで救助されたら有料になる─自民党県議団がこんな条例案を2日、議会に提出しました。公的なへリ救助を有料化するのは全国で初のことです。同案は県内で登山者を防災ヘリが救助した場合に、手数を徴収するというもの。の額は「知事が告示で定める」としていますが、燃料代にあたる5万円程度になるといいます。施行は来年1月1日から。県警ヘリは対象外です。

自民党は「山岳救助の有料化で登山者の注意が喚起され、無謀な登山の減少にもつながる」と、山岳遭難を抑止することが目的だと提案理由を説明しました。

同県では2010年にも同党が、山岳救助中の防災へリが墜落した事故を理由に有料化を検討しましたが、反対意見が多く実現しませんでした。長野県や富山県も有料化を断念しています。

消防の信頼頼失

防災へリ運用の調査研究をしている全国航空消防防災協会も05年に有料化について検討しましたが、「(救助が必要でも費用が払えないために要請ができないことがあれば)消防の根幹をゆるがすことになってしまう」「(救助に感謝する)国民から料金を徴収することは消防の信頼を失うことにも繋(ゆな)がる」と否定的な結論を出しています。

有料化で無謀な登山を減らるでしょうか。

登山の法律問題に詳しい溝手康史弁護士が「有料化のメリット(利点)はなく遭難防止にはならない」と主張するなど、山岳関係者はその効果を疑問視します。

さらに、溝手弁護士は「なぜ山だけが有料なのか。ある地域だけ有料化するとなれば公正ではない。救急車や消防車、パトカーは無料なのになぜヘリは有料なのか」と公平性に問題があることも指摘します。

「有料化の背景には。〝安易な救助要請〟の強調がるが、無謀な登山でヘリを呼ぶのはごく一部だ」。こう説明するのは山岳遭難を研究する関西大学の青山千彰教授です。

大半の登山者は、けがをしでも救助要請を我慢する傾向が強いため、「へリ救助を必要とする遭難者の判断まで鈍らせるような条例の制定は、避けるべきだ」と同教授は主張します。 安易かどうかの判断も難しい。「ちょっと疲れたという登山者を休ませて、先に行き、帰ってきたら亡くなっていたという事例もあります。

青山教授は「山では単なる疲労か重篤な疾患の前症状なのかは、専門医でも判断は難い」と言います。

予想きれる混乱

アルプスを抱る山岳救助にヘリが年間1万回以上出動するドイツやイタリアに比べて、日本は1500件程度。埼玉県の防災ヘリによる山岳救助は14年度が28件(県内25件)、15年度は15件(同11件)でした

日本共産党の村岡正嗣(まさつぐ)県議は、「県境での救助活動は、どちらで事故を起こしたか、どちらで救助したかで有料か無料かが違ってくる。現地で混乱が予想される」と条例案の問題点を挙げています。多くの登山者は危険を自覚し、遭難しないようにしっかり備えていることを示し、条例案に反対します。

「登山をスポーツ・文化として発展させるためにも、登山道の整備、気象や山の情報提供といった環境整備で遭難を防ぐことが、行政の果たすべき責任だ」。村岡県議は強調します。  (青山俊明)

(「しんぶん赤旗」3月5日付より)

 

●不便な郊外に図書館を移すな 上尾市で集い 

 

交通不便地への図書館の移転に反対する住民運動が起きている埼玉県上尾市で2月25曰、図書館のあり方を考えるつどいが開かれ約200人が参加しました。市民団体「上尾市の図書館を孝える会」(土屋豊子代表)の主催。

上尾市は、JR上尾駅近くにある図書館本館を北東部の郊外に移転する計画を進めていますが、「考える会」は立地ととともに事業費の高さや市民不在の計画の進め方などの問題点を指摘しています。

つどいでは「考える会」が、市の計画への対案として「私たちの提言」を発表しました。提言は、移転を取りやめて現図書館の駐車場部分への増築を提案。移転するよりも広い床面積や蔵書スぺースを確保でき、事業費も抑えることができると主張しています。また、8カ所の国書館分館について、開館時間延長、蔵書の増加、専門職員配置など充実策を提示しています。

提言を含めで図書館のあり方を市民的に討論する場の設置を求める請願を市議会に提出したことも報告しました。

日本図書館協会図書館政策企画委員長の大橋直人さん(大東文化大学非常勤講師)が講演し、住民の学習する権利を保障し、資料提供の要求に応える図書の役割を強調しました。

(「しんぶん赤旗」3月5日付より)

 

 

 

 

●高齢者福祉・医療を優先 さいたま市長選へシンポジウム

「安心・長生きのさいたま市」実現へ市の高齢者福祉・医療の課題を考えようとこのほど、「みんなのさいたま市をつくる会」(みんなの会)がシンポジソムを開催し220人が参加しました。

シンポジウムでは4人のパネサストが発言しまし。埼玉県社会保障推進協議会の川嶋芳男事務局長は国が社会保障の切り捨てを進めるなかで「市長、住民の命を守る立場に立てるかが重要だ」と強調。「認知症の人と家族の会」埼玉県支部の花俣ふみ代代表は介護の問題で、要支援サービスの一部保険外し・市町村事業化について「さいたま市が要支援者の受け皿としての対応ができているのかが見えてこない。市として高齢者施策にきちんと向き合ってほしい」と主張しました。

介護士の大塚武秀さんは「介護士は、さいたま市よりも東京都の方が、賃金が高いから」みんな東京で働く。うちの事業所も人を募集しても入ってこない」と介護現場での人手不足の実態を報告しました。

日本共産党の戸島義子さいたま市議は「清水勇人市長は敬老祝い金の半減など、総額18億円以上もの福祉予算を削ってきた。ビッグイべント、大型開発優先の税金の使い方を変えよう」と呼びかけました。

さいたま市長一選(5月7曰告示)に立候補す「みんなの会」の前島ひでお氏は「医療や福祉にお金を使わせるために、みなさんの先頭に立って頑張ります」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」3月2日付より)

 

 

 

 

●野党共闘へ市民が役割 安保法廃止へオール埼玉層行動 地域連絡会の活動交流

地域連絡会の取り組みを交流する参加者=2月27日、さいたま市

安保法制(戦争法)廃止をめざす「オール埼玉総行動」が呼びかけた、衆院小選挙区を単位にした地域連絡会の交流会が2月27日夜、さいたま市で開かれ、県内15小選挙区に対応したすべての地域の代表が参加しました。

地域連絡会は、安保法制廃止、立憲主義回復を一致点にした市民の共同組織で、野党共闘の発展を草の根から後押ししようと活動しています。27日までに15区中、12区で結成され、残り3区も準備を進めています。

集会では、「自民党衆院議員の地元で480人を集めて連絡会を結成した」(10区)、「政党間協議を毎月行っている。3月の共謀罪学習会には野党4党のあいさつを予定している」(2区)、「共産、民進両党の小選挙区候補を呼んだ集会を開いている。無党派市民や無所属市議が多数参加している」(4区)などの取り組みを交流し、市民が野党をつなぐ役割を果たしていることが報告されました。

また、幅広い市民に野党共闘を呼びかけていくために、「民進党ポスターを貼っている家に連絡会のポスターを貼らせてもらっている」(1区)、「宗教者と共同して自民党改憲草案の学習会を開催した」(東松山)などの取り組みを交流しました。

「オール埼玉総行動」の小出重義実行委員長は、「野党共闘をめざす草の根の市民活動は予想を上回るスピードで進んでいる」と述べ、各地域の創意を発揮して運動を前進させてほしいと呼びかけました。

(「しんぶん赤旗」3月1日つけより)