TPP抗議〈共産、民進、無所属〉連携 埼玉県議「徹底審議、廃案を」

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リレースピーチする(左から)村岡、浅野目、前原、金子、管の各県議=11日、さいたま市

衆議院本会議で、自民党、公明党、日本維新の会が、環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案の採択を強行したこと(10日)に抗議して、埼玉県議会の日本共産党と民進党・無所属の会は11日、さいたま市内のJR浦和駅前で合同の宣伝を行いました。

共産党から村岡正嗣、金子正江、前原かずえ、民進党・無所属の会から浅野目義英、管克己の各県議が参加し、リレースピーチしました。

埼玉県議会では、この間、共産党、民進党、無所属の県議が集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議して合同宣伝をするなど連携を進めています。

浅野目氏は「今回のTPP協定では日本の国益は守れません。参議院での徹底審議を求めて、みなさんと力を合わせます」と訴えました。

村岡氏は「国民の命と健康、暮らしを脅かすTPP法案は、参議院で徹底して審議し、廃案に追い込みます。野党と共同し、国民のみなさんと連携し全力をあげます」と語りました。

通りかかった人が「野党共闘しっかりやれ!」と声をかける場面がありました。

(「しんぶん赤旗」11月13日付より)

入間基地 海外出動の拠点化 埼玉県平和委員会代表理事 平山武久さんに聞く

戦争法のもとでの航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市、入間市)の拡張に対して、20日午後1時から、「安保法制の発動許すな! 入間基地拡張ストップ! 緑の森を守ろう! 11.20埼玉県民集会」が入間市の彩の森入間公園で開かれます。入間基地拡張の危険性と集会の意義について、県平和委員会代表理事の平山武久さんに聞きました。(埼玉県・藤中陽美)

戦争法発動へ自衛隊病院と新型輸送機

入間基地に隣接する旧ジョンソン基地跡の入間市東町側保留地には、自衛隊病院と災害対策拠点の設置が計画されています。どちらも戦争法発動にそなえた基地機能の強化です。

傷病隊員を搬送

防衛省は、同保留地に自衛隊病院を設置する目的について、傷病隊員を迅速に搬送できることから、飛行場の隣接地に、自衛隊医療の拠点化・機能強化の一環として整備するためだとしています。戦争法の発動によって、自衛隊員が、防衛とは無関係の海外での戦争で殺し殺されることを想定した医療体制づくりです。

自衛隊病院は、有事の際に傷病隊員を治療する「後送病院」の役割を担います。「防衛省・自衛隊の第一線における的確な救命に関する検討会」の資料によると、第一線で負傷した隊員は現場で手当てをされ、重症度に応じて、野外病院や、入間病院などの自衛隊地区病院、自衛隊中央病院に「搬送」されます。

防衛大綱は自衛隊量の役割について、「自衛隊隊員の壮健(体が丈夫で元気なこと)性を維持」し、各種任務への対応能力を強化することとしています。負傷隊員を治療したらすぐに第一線に戻し、「戦力を維持」することが自衛隊医療の本質です。市民・国民の命を守り、健康を維持する一般医療とはまったく異質です。

一方、災害対処拠点は、大規模災害時の出動拠点と位置づけられていますが、平時は訓練などで使用され、自衛隊病院とともに入間基地の一部となります。基地拡張であることは明らかです。

さらに、防衛省は、基地の機能強化・拡張計画の一環として、入間基地への新型輸送機C2を配備することを2017年度の概算要求で明記しました。

現在入間基地に配備されているC1は、国内輸送用としてつくられまし。そのC1に比べて、C2は全長が1.5倍の約44㍍と大きく、航空距離は3.8倍の約6500㌖、搭載貨物量は3.7倍の約30㌧であり、搭載可能な装備品もC1よりもはるかに多くなっています。C2配備に伴い、入間基地では燃料施設なども今までよりも大規模なものに建て替える計画が進んでいます。

防衛省はC2導入による効果について、「自衛隊が国際平和協力などに主体的・積極的に取り組むためにの体制整備」などに役立つと明記しています。C2が配備されるということは、入間基地が自衛隊の海外出動の重要拠点になるということです。

市民に説明なし

これらの計画が市民に十分な説明もなく進められています。

入間基地が海外で戦争するための拠点になることは、入間市や基地周辺自治体の住民だけでなく、埼玉県民の願いに反します。20日の県民集会が、この問題の危険性を県民に広く知らせ、平和を願う県民の声を大きく結集する場になることを期待しています。

(「しんぶん赤旗」11月11日付より)

首都圏上空 訓練やめよ 米軍機の飛行ルート判明 横田基地

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在日米軍横田基地(福生市など東京都多摩区地域の5市1町)の大型輸送機が、首都圏周辺上空で9本の訓練飛行ルートを設定し、低空飛行や編隊飛行訓練を実施していることが米軍資料で判明しました(「しんぶん赤旗」2日付既報)。飛行ルートは東京、神奈川、埼玉、茨木、栃木、山梨、静岡、長野の8都県に及び、住民から不安や怒りの声があがっています。

実践へ基地機能を強化
埼玉県平和委員会代表理事 平山武久さん

埼玉県は、これまでも横田基地所属のC130輸送機の低空飛行訓練空域の範囲内にあり、県北部を中心に低空飛行訓練が行われていましたが、今回「気象支援」についての訓令で9ルートが明確にされたことは重大です。住民が生活する上空で低空飛行訓練を繰り返し、安全を脅かすことは許されません。

戦争法の発動の動きと軌を一にして、横田基地がいっそう実践的な拠点基地として強化されていることは明らかです。さらに、首都圏各地の米軍基地や自衛隊基地の強化も急ピッチで進んでいます。

航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市、入間市)でも大型輸送機配備や医療機能の強化が計画され、横田基地と一体に実践的な体制に入っていくことが懸念されます。

基地強化の実態を広く市民に知らせ、基地強化反対の世論と運動を強めていきます。

(「しんぶん赤旗」11月8日付より)

高齢化ペース1位の埼玉だが 介護職員が辞めていく・・・

%e4%bb%8b%e8%ad%b7%e5%ae%9f%e6%85%8b%e8%aa%bf%e6%9f%bb埼玉県は高齢化のスピードが全国一速く、過去10年間の県政世論調査でも、県政への要望は「高齢者の福祉を充実する」が1位か2位の上位を占めています。しかし、高齢者を支える介護施設では、事業者も職員も深刻な人手不足に悩まされています。厳しい環境の中で働く介護労働者の実態を見ました。(埼玉県・藤中陽美)

展望持てぬ低賃金 待遇改善急務

「給料は手取りだと月20万円」にも届かない。職場を辞めていく人も多く、いつも人手不足です」。こう話すのは、県内の特別養護老人ホームで働く正職員の男性(26歳)です。実家暮らしで、母子家庭のため兄と自分の2人の収入で生活しているといいます。「奨学金の毎月返しているから、生活はギリギリ。行政は本気で職員の処遇を改善してほしい」と語ります。

公益法人「介護労働安定センター」が発表した2015年度介護労働実態調査結果の埼玉県版(県内374事業所と介護労働者889人が回答)によると、県内にある介護事業所の離職率は18.7%で、離職者のうち勤続3年未満の労働者が73.6%を占めています。

過去に介護関係の職場をやめた経験のある人に理由を聞くと、「収入が少なかったため」(19.4%)「自分の将来の見込みがたたなかったため」(同)などの回答がありました。

不足6割超す

従業員の過不足について、「大いに不足」「不足」「やや不足」と回答した事業所は、合わせて62.1%に上り、労働者の「働く上での悩み」の1位も「人手が足りない」(48.4%)です。

労働者が挙げたほかの悩みは、「仕事内容のわりに賃金が低い」(42.6%)「有給休暇が取りにくい」(31.2%)などがあります。

事業者に介護サービスを運営する上での問題点を聞くと、安倍政権が介護報酬を引き下げるもとで、「今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金が払えない」との回答は51.2%に上ります。ほかに、「良質な人材確保が難しい」(56.6%)などの回答がありました。

県医療介護労働組合連合会執行委員(介護担当)の竹永仁志さんは「労働者は、仕事内容の割に賃金が低いから人手が足りず、有給休暇が取りにくい。事業所は、介護報酬が低くて十分な賃金を払えないから人が集まらず、『誰でもいいから来てくれ』となり、良質な人材確保が難しくなる。問題はすべてつながっています」と指摘。「特に男性は『将来の見込みが立たない』『この収入では結婚・子育てできない』と辞めていく人が多い」と話します。

県内介護労働者の月額所定内賃金は男女平均で23万7577円。男性では全業種平均の33万2000円(女性は23万9900円)とは、大きな差があります。

県に抜本対策要求

日本共産党埼玉県議団はこの間、県に介護労働者の処遇改善のために県単独事業の処遇改善費を復活させるなど、介護労働者の確保策を抜本的に強化するよう求めてきました。

柳下礼子党県議団長は「調査結果からもわかるように、介護報酬が少なすぎます。ヒトがどんどん辞めていけば残った労働者に負担がいき、介護サービスを受ける側も十分な介護が受けられません。介護労働者が安心して仕事を続けられ、質の良い介護ができるようにするため、国も県も処遇改善に力を入れるように求めていきたい」と話しています。

(2016年10月30日「しんぶん赤旗」より)

 

石田氏健闘も及ばず 埼玉入間市長選 「公約実現へ全力」

23日投開票された埼玉県入間市長選(立候補2人)で、日本共産党の石田芳夫氏(70)=新=は、9387票(得票率22.84%)を得て健闘しましたが、及びませんでした。当選は現職の田中龍夫氏(64)=自民党、公明党推薦=。

石田氏は、田中市長が安倍政権と一緒に進める航空自衛隊入間基地(入間市、狭山市)の拡張計画にストップをかけ、「市民の暮らしと憲法を守る市政の実現を」と訴えてたたかいました。

無所属元市議がマイクを握ったり、自民党支持という男性から「最近の安倍政権のやり方は許せない。安倍政権を倒すために共産党に入れる」との声が寄せられたりと、幅広い市民の石田氏への期待と共感が広がりました。

石田氏の得票は、今年7月の参院選で共産党が獲得した比例票を、500票以上上回りました。

選挙結果を受けて、石田氏と共産党市委員会は、「今後も公約実現へ全力をあげる」としています。

(2016年10月25日付「しんぶん赤旗」より)